精油(エッセンシャルオイル)は化粧品ですか?

精油(エッセンシャルオイル)は良い香りのするもの、として認知されていて、その香りでリラックス効果などをもたらすため、一部で人気がありますが、精油(エッセンシャルオイル)は化粧品にも配合されている香り成分(香料)になります。
精油(エッセンシャルオイル)の流行は2000年ぐらいからでしょうか。アロマセラピー、芳香治療が注目され始めて、エステティックやサロンなどから少しずつ浸透し、香料として化粧品にも配合するようになりました。

精油(エッセンシャルオイル)とは?

精油(エッセンシャルオイル)は、植物から抽出した天然成分で、高濃度に有効成分を含有する揮発性の芳香物質です。これらの成分は植物の花、葉、果皮、果実、心材、根、種子、樹皮、樹脂などから抽出されます。精油にはそれぞれ特有の香りがあって、水蒸気蒸留法や熱水蒸留法などで抽出されます。これらの精油はアロマセラピーなどさまざまな用途で使われています。 色々な植物から抽出された精油は、それぞれ異なる特性と効能があり、香りを楽しんでリラックス効果を得たりなど、健康や美容の分野で研究されています。

精油(エッセンシャルオイル)はどのように使われるのですか?

精油は、アロマセラピーと呼ばれる方法で香りを楽しんだりリラックスしたり、美容や健康に取り入れることができます。色々な使い方がありますが、具体的には以下の通りです。

  1. ディフューザー: ディフューザーと呼ばれる器具を使って、精油を空気中に拡散させます。部屋全体に良い香りを広げたり、リラックス効果を得るために使います。
  2. マッサージ: 精油をキャリアオイルと混ぜ、肌にマッサージすることで、筋肉をほぐしたり、ストレスを軽減したりして使います。
  3. 入浴: お風呂に乳化剤とともに数滴の精油を加えると、香りによりリラックスしてバスタイムをより充実させることができます。
  4. 吸入: 精油をハンカチやティッシュに垂らして、香りを嗅ぐことで気分をリフレッシュさせることができます。

精油(エッセンシャルオイル)は化粧品?

よく質問を受けますが、よく一般のお店で、精油(エッセンシャルオイル)を販売していますが、そのものの多くは化粧品ではなく雑貨のカテゴリーになっています。精油(エッセンシャルオイル)は香りを楽しむものです。香りを楽しむとはいえ、香水のように肌に直接塗布したりしません。つまり、直接肌に触れることがないので化粧品のカテゴリーで管理されていません。

精油(エッセンシャルオイル)の法的分類は?

精油(エッセンシャルオイル)でも「飲める」とあったり、「肌につける」とあったらどうでしょうか?その場合は、雑貨ではなくなります。

飲む場合は・・・食品衛生法
つける場合は・・・薬事法が適用されます。

その場合は、必ず精油のボトルや箱に食品としての表示や、製造販売元の表記など化粧品としての法定表示があるはずです。食品の場合は口に入っても大丈夫なもの、化粧品の場合は、肌につけても大丈夫なもの、です。その表記がない場合は、食品としてや化粧品として管理されていない雑貨扱いのもの、となります。どのグレード(化粧品、食品、雑貨)で作られているのか?どのルールで管理されているのか、購入時や使用時には必ずチェックするようにしましょう。

また、化粧品に配合される精油(エッセンシャルオイル)の目的は、ほとんどが香料です。アロマセラピーにあるような精油の直接的な効能効果は、残念ながらほとんどないといってもいいです。化粧品の香料として使われるエッセンシャルオイルは色々ありますが、基本的には品質や安全性の確保、化粧品グレードで肌につけても安全だと製造販売元で確認されているもの、になります。なんでも配合できるわけではありません。

精油(エッセンシャルオイル)は肌に優しいのか?

化粧品に精油を配合したスキンケア品は少ない方ではありません。特に海外から多く輸入されたりしています。精油は香りが良く、天然だし、肌に良いというイメージがあるため、オーガニックコスメやナチュラルコスメなどによく使われていますが、果たして肌に優しいと言えるのでしょうか?

ヨーロッパでは、化粧品はEU Cosmetics legislationという化粧品規制によってルールが決められています。その中で、EU化粧品規制1223/2009では、精油に含まれる香料成分のうち26種類がアレルゲンとして指定されています。これらの特定の香料成分が皮膚感作性を引き起こす可能性があるためです。例えば、ゲラニオール、リナロール、オイゲノールなど。これらが化粧品に含まれる場合、リーブオン製品(洗い流さない)で0.001%、リンスオフ製品(洗い流す)で0.01%の場合、香料アレルゲンとしてラベルに表示する必要があります。

これらは今後もっと種類が増えていくようです。なぜならIFRA(国際フレグランス協会)の推定では、フレグランス・アレルゲン患者は過去20年間で着実に増加しているから。世界的にみると、EUだけではなく、ASEAN化粧品法、ニュージーランドの化粧品法、中国、アルゼンチン、ブラジルはすべて、香料アレルゲンの申告と表示の遵守を求められています。日本では「香料」として過去には指定成分としてラベルに記載の義務がありました。今は全成分表示の中で記載していて、精油については「香料」とは書かないケースが多いです。これもラベル表示において見た目が良いから、かもしれません。今後、日本でも世界の流れをうけたら精油の化粧品における表示自体が変わるかもしれません。

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この記事を書いた人

米大学でホリスティック栄養理学士号(Bachelor of Holistic Nutrition)の学位を取得。1994年より化粧品 /健康食品会社にて研究開発、薬事申請業務に携わる

いくつかの外資系企業を経て2007年に独立。主に外資系企業の薬事面をサポートする薬事コンサルタントとして活躍するなか、炭酸美容法についてもいち早く着目。

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