海外コスメの全成分表示はどういう仕組みか?

改正薬事法により化粧品は全成分表示をするようになりました。以来、成分を見て商品を買われている方も増えていますが、海外では化粧品の成分表示ってどうなっているのでしょうか?

実は、欧米諸国はじめ多くの海外化粧品も全成分表示になっています。なので、日本語で成分表示名称を見慣れてくるとそれが英語になっても読めるようになります!

目次

成分名は化学名ではなく、化粧品用語です!

全成分表示って読み始めると確かにカタカナばっかり…とても読みにくいですよね。でもこれ、実は正式な化学名ではありません。言ってみれば化粧品用語です。これは化粧品などコスメに関わるすべての人々(原料メーカーやコスメメーカー、製造業、処方開発者等)にとって、言葉の壁を最小限にするために作られたものなのです。

しかも…化粧品パッケージの小さいスペースにそんなに長ーい化学の正式名称って書けませんよね。だから化粧品語に省略されているんです。

例えばよく見かける成分にBGという成分があります。これは正式には、1,3-ブチレングリコールですが、略してBGと全成分表示には記載されています。またキレート剤等として配合されるトリエタノールアミンはTEAと略して記載されます。こうみると、BGとかTEAとか略した方が見やすいし簡単ですよね。もちろん他にももっとあります。

また、化粧品の成分名は国際的に使われているんです。グローバルレベルで共通語となっているんですよ。だから日本語で成分が分かると、ある程度、海外の化粧品の成分名も読めるようになるんです。コスメが読めるようになると海外の化粧品選びにも全く困らず、自信がもてるようになりますよ!

成分名が読める、わかるってすごいことです!なので多少順番が違ったりもしますがどんどん表示名称に慣れて海外ものにも挑戦しちゃいましょう。

全成分表示の背景

日本での化粧品の成分表示名称はアメリカのCosmetic Toiletry and Fragrance Association/米国化粧品工業会が付けた成分名(INCI名と言います。)を基本に日本語読みに変換しています。(現在はPCPC(Personal Care Products Council)/米国パーソナルケア製品評議会)が管理している。

このINCI名は、化粧品成分を特定し、化粧品のラベルに全成分の情報を表示する目的で世界各国(米国、欧州連合、中国、日本、その他多くの国)で使用されている体系的な成分名です。この統一された化粧品成分表示のシステムは、学名、ラテン語、英語のいずれかを使用することが基本となっています。

ちなみに、全成分表示を一番はじめに取り入れた国ってご存知でしょうか?

答えは…「アメリカ」です!

アメリカでは1976年から全成分表示を取り入れていたんですよ。日本は2001年から全成分表示が導入されましたから、30年弱の差がありますね。私がアメリカに在住していた当時(1990年)はすでに全成分表示でした。だから肌荒れがおきた時、すぐさま成分を調べることができたのです。

日本では2001年までは「全成分非公開」でしたからもし日本で大学生をしていたら成分の勉強などできなかったかもしれないし、「化粧品って何からできているんだろう」と疑問に思っても調べるのは難しかったと思います。もちろんネット検索なんてない時代ですから…。

アメリカにいたからこそ、ですね!!

INCI名で成分が読めると世界各国のコスメの裏が読めます。ルールもほぼ同じなのでぜひ海外のものもコスメを読んでください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

米大学でホリスティック栄養理学士号(Bachelor of Holistic Nutrition)の学位を取得。1994年より化粧品 /健康食品会社にて研究開発、薬事申請業務に携わる

いくつかの外資系企業を経て2007年に独立。主に外資系企業の薬事面をサポートする薬事コンサルタントとして活躍するなか、炭酸美容法についてもいち早く着目。

目次